住宅,住宅百科,住宅ローン,住まい・建築大百科事典
鳩山内閣はこの臨時国会で、中小企業向け融資や住宅ローンの返済猶予(モラトリアム)法案の成立を目指している。利息と元本の返済を3年間猶予するのが目玉だが、亀井金融担当相は「年末に間に合わせる」と意気込む。では、住宅ローンの返済を3年間猶予してもらうと、総返済額などはどう変わるのか。一級ファイナンシャル・プランニング技能士の柳澤美由紀氏に試算してもらった。
5年前に「金利3.55%、35年固定金利」で3000万円を借りているケースだ。現在の返済額は月12万9476円だが、3年間の元本返済猶予を受け、利息だけを払うと、その間の月返済額は8万1875円と4万7601円軽くなる。
「モラトリアムをしなければ総返済額は約5244万円です。しかし、3年間の元本の支払いを猶予してもらうと、返済期間が3年延びて38年になりますから、この間の利息295万円が加わって、総返済額は約5539万円になります」(柳澤美由紀氏)
さらに、元本も利息もモラトリアムにしたらどうなるか。3年間は住宅ローン返済から解放されて「ヨカッタ! ヨカッタ!」てなものだが、その後に地獄が待っている。月返済額が13万8172円に跳ね上がり、総返済額は約5724万円と500万円近くも増えてしまうのだ。
それだけではない。モラトリアムを受けたということは、実質的に「不良債権」になったということだから、その後は返済方法の変更や借り換えに金融機関が応じない可能性が高い。返済が苦しくなったとき、もっといい対処法はないのか。
「倒産や失業、収入の大幅減で住宅ローンの返済が厳しくなっているのに、ギリギリまで無理をして、結局モラトリアムを受けると、かえって返せなくなるのではないでしょうか。早めに金融機関に返済期間の延長を相談して、元本分だけでも返し続ければ、月々の返済負担を減らすことができるし、信用も維持されます」(柳澤美由紀氏)
モラトリアムといっても、返済を先延ばしにするだけで、借金が3年分なしになるというわけではない。
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